*歌川二三子

知覽の母 ~ホタル~ / 歌川二三子

淸風산 2010. 3. 19. 01:01

知覽の母 ~ホタル~  
作詞:鉄砲光三郎    作曲:鉄砲光三郎     歌:歌川二三子

 
(セリフ)
昭和二十年四月七日午後二時二十五分、
戦艦「大和」が海の藻屑と消えました。
後は特攻隊の体当たりしか無かったのでしょうかッ。


花は色よく  知覧の海に
行かせともなや  あの空へ
帰らぬ命  又一つ

 

(セリフ)
「トメおばさんッ、お早う御座居ますッ」
「まあッ金井さんッ、朝早か」
「おばさんッ。僕今日で十七歳に成りました。
おばさんを母さんだと思って報告に参りました。
今日まで本当に有難うございました」


「今日 ・・・行くとねッ」
「金井文博、本日見事敵艦に体当たりする日が参りました。
お別れに自分の故郷の歌を聞いて下さいッ ・・・ 。唄いますッ。
「♪ アリラン  アリラン  アラリヨ  アリラン  コーゲル  ノモカンダ」
「・・・金井さんッ、朝鮮の生まれだったのッ」


散りに行く身の  此の若桜
死出の旅路を  急ぐ身は
生贄ありて  平和あり


(セリフ)
「自分はきっと逢いに帰ってきますッ。おばさんの胸にッ」


声を限りに  哭く不如帰
季節外れの「ホタル」とは
誓いを守り  この胸に


(セリフ)
「あッ 此のホタルは ・・・ 金井さんじゃッ。
約束通り帰って来やったとねぇ ・・・ 来やったとねぇ ・・・
「金井さんッーッ」


♪ (鉄砲節)
声を限りに泣きじゃくる  爆弾抱いて散って行く
幼い命数知れず
忘れまいぞえ知覧の海に  今なお深く沈んでる
平和日本の生贄がその英霊よ魂よ
何時何時までも安らかに


(セリフ)
オモニィーッ」